EasyForensics > ブログ>コラム>【【中小企業向け】情報漏洩対策 完全ガイド|原因から万が一の対応まで徹底解説

2025年8月18日 更新 2025年8月24日

目次
  1. はじめに:中小企業の情報漏洩はもはや「他人事」ではない
    1. 増加する中小企業の情報漏洩リスク
    2. 信用失墜、事業停止、そして巨額な賠償…情報漏洩の代償
    3. 本記事でわかること:情報漏洩の全体像と具体的な対策
  2. 情報漏洩の主な「原因」と自社のリスクを特定する
    1. 情報漏洩の三大原因
      1. 人的ミス: メール誤送信、デバイス紛失、設定ミス、不注意
      2. 内部不正: 従業員による情報の持ち出しや悪用
      3. サイバー攻撃: 不正アクセス、マルウェア、ランサムウェアなど
    2. 見落としがちなサプライチェーン経由の情報漏洩
      1. 取引先のセキュリティ脆弱性が自社を危険にさらす
      2. 自社のセキュリティ不足をチェックする
  3. 情報漏洩を未然に防ぐための「予防」策
    1. 人的ミスを防ぐためのルールと教育
      1. アクセス権限の適切な管理と定期的な見直し
      2. 従業員への情報セキュリティ教育の徹底
      3. USBメモリの利用制限やログ監視
    2. 内部不正による情報持ち出しを防ぐ仕組み
      1. 退職者のデータ持ち出し対策
      2. ファイルアクセス履歴の調査
    3. サイバー攻撃から情報を守る基本的な対策
      1. OS・ソフトウェアの最新化とセキュリティソフトの導入
      2. 強固なパスワード設定と多要素認証
    4. データの改ざんを防ぎ、消失したデータも守る
      1. データのバックアップと復元体制の整備
  4. 万が一、情報漏洩が発生した際の「対応」と「調査」
    1. 発覚時の初動対応:被害を最小限に抑えるために
      1. 被害状況の迅速な確認と拡大防止
      2. 関係者への報告義務と手順
    2. 情報漏洩の原因と範囲を特定する調査
      1. 従業員による不正が疑われる場合の調査
      2. データ改ざんや削除の痕跡調査
    3. フォレンジック調査が情報漏洩対応にもたらす価値
      1. 漏洩経路・原因の特定と証拠保全
      2. 法的・行政対応への活用
  5. 「EASY Forensics」で情報漏洩リスクを低減し、迅速な対応を実現
    1. EASY Forensicsが解決できる情報漏洩の課題
      1. IT部門なしでも簡単に内部起因の漏洩対策
      2. 低コストで情報漏洩リスクを可視化
    2. 情報漏洩対策に役立つEASY Forensicsの機能
      1. 個人情報ファイルの自動検出と管理
      2. 不審なファイルアクセスや持ち出しの監視
      3. 緊急時のPCデータ保全と簡易調査
  6. まとめ:情報セキュリティは企業価値向上の基盤
    1. 予防と発生時の備えの重要性
    2. 無料トライアル・資料ダウンロードのご案内

はじめに:中小企業の情報漏洩はもはや「他人事」ではない

増加する中小企業の情報漏洩リスク

デジタル化が進む現代において、企業にとって情報漏洩のリスクは避けて通れない課題となっています。特に中小企業は、大企業に比べてセキュリティ対策が手薄になりがちで、サイバー攻撃の標的となったり、人的ミスによる情報漏洩が発生したりするケースが増加しています。

IPA(情報処理推進機構)が公開している「情報セキュリティ10大脅威」などでも、中小企業を狙った脅威が毎年上位に挙げられており、情報漏洩はもはや「他人事」ではありません。

信用失墜、事業停止、そして巨額な賠償…情報漏洩の代償

情報漏洩が発生した場合、企業が被る損害は計り知れません。顧客情報や営業秘密が漏洩すれば、企業の信用は失墜し、顧客離れや取引先からの契約解除につながります。

また、個人情報保護法改正により、漏洩時の企業への責任が強化されており、巨額な損害賠償を請求される可能性もあります。最悪の場合には、事業継続が困難となり、倒産に追い込まれるケースも存在します。

経済産業省の「情報セキュリティ対策状況調査」などでも、情報漏洩による経済的損失の大きさが指摘されています。

本記事でわかること:情報漏洩の全体像と具体的な対策

本記事では、中小企業が情報漏洩のリスクを認識し、適切な対策を講じるための具体的な方法を解説します。情報漏洩の主な原因から、予防策、万が一発生した場合の対応、そして調査方法まで、情報漏洩対策の全体像を網羅的にご紹介します。

情報漏洩の主な「原因」と自社のリスクを特定する

情報漏洩の三大原因

情報漏洩の主な原因は、大きく分けて「人的ミス」「内部不正」「サイバー攻撃」の3つに分類されます。

人的ミス: メール誤送信、デバイス紛失、設定ミス、不注意

従業員の不注意や過失によって情報が漏洩するケースです。最も一般的なのは、宛先間違いによるメール誤送信です。その他にも、情報が保存されたPCやUSBメモリなどのデバイス紛失・置き忘れ、クラウドサービスやファイル共有設定の設定ミスによる情報公開、業務中の不注意による画面の覗き見などが挙げられます。これらのミスは、従業員への教育不足や確認体制の不備によって引き起こされることが多く、情報漏洩事故の原因として常に上位を占めています。

内部不正: 従業員による情報の持ち出しや悪用

従業員や元従業員が、意図的に企業の機密情報や個人情報を不正に持ち出したり、悪用したりするケースです。例えば、顧客リストや営業秘密、技術情報などを個人的な目的や競合他社への転職のために持ち出すといった行為が該当します。これは、企業の信頼を裏切るだけでなく、企業の競争力を著しく低下させる深刻な問題です。

サイバー攻撃: 不正アクセス、マルウェア、ランサムウェアなど

外部からの攻撃によって情報が盗み出されるケースです。

不正アクセス

システムの脆弱性を突かれたり、ID・パスワードを窃取されたりして、権限のない者が企業内部のネットワークやシステムに侵入する攻撃です。これにより、機密情報が閲覧・窃取される可能性があります。

マルウェア感染

ウイルスやトロイの木馬などの悪意あるソフトウェア(マルウェア)に感染することで、PC内の情報が盗まれたり、外部に送信されたりする被害が発生します。フィッシング詐欺や不審なウェブサイトの閲覧、不正な添付ファイルの開封などが感染経路となります。

ランサムウェア

システムやファイルを暗号化し、復旧と引き換えに金銭(身代金)を要求するマルウェアの一種です。支払いに応じてもデータが復旧しないケースや、データの公開を脅迫される二重脅迫の被害も報告されています。

見落としがちなサプライチェーン経由の情報漏洩

自社だけでなく、取引先や委託先のセキュリティ対策状況も、情報漏洩リスクに直結します。

取引先のセキュリティ脆弱性が自社を危険にさらす

自社がどれだけ強固なセキュリティ対策を講じていても、業務委託先やクラウドサービス提供元、システム開発会社などの取引先のセキュリティが脆弱であれば、そこを経由して情報が漏洩するリスクがあります。例えば、取引先のシステムがサイバー攻撃を受け、そこに保管されていた自社の顧客情報が漏洩するといったケースです。サプライチェーン全体のセキュリティ意識向上と連携が求められます。

自社のセキュリティ不足をチェックする

自社の情報セキュリティ対策が十分であるか、定期的にチェックすることが重要です。以下の項目について確認し、不足している点があれば改善を検討しましょう。

  • セキュリティポリシーやルールが明確に定められ、従業員に周知されているか。
  • 従業員への定期的なセキュリティ教育が実施されているか。
  • システムやソフトウェアの更新は適切に行われているか。
  • 不審なメールや添付ファイルへの対応ルールは確立されているか。
  • バックアップ体制は整っているか。
  • アクセス権限は適切に管理されているか。

情報漏洩を未然に防ぐための「予防」策

人的ミスを防ぐためのルールと教育

人的ミスによる情報漏洩を防ぐためには、従業員への継続的な教育と具体的なルールの整備が不可欠です。

アクセス権限の適切な管理と定期的な見直し

従業員が必要最小限のデータにのみアクセスできるよう、アクセス権限を厳格に管理します。職務に応じてアクセスレベルを細かく設定し、部署異動や退職時には速やかに権限を削除・変更する運用を徹底します。定期的にアクセス権限の見直しを行い、不要な権限が付与されていないか確認することも重要です。

従業員への情報セキュリティ教育の徹底

全従業員に対し、定期的に情報セキュリティに関する教育を実施します。メールの誤送信防止策、不審なメールの見分け方、強固なパスワードの設定方法、社外でのPC利用時の注意点など、具体的な事例を交えて実践的な内容を教えます。従業員一人ひとりのセキュリティ意識の向上が、最大の防御となります。

USBメモリの利用制限やログ監視

USBメモリなどの外部記憶媒体は、情報の持ち出しやマルウェア感染のリスクがあるため、利用を制限または禁止することが望ましいです。業務上やむを得ず使用する場合は、許可制にする、データを暗号化するなどのルールを設け、使用履歴(ログ)を監視することで、リスクを管理します。

内部不正による情報持ち出しを防ぐ仕組み

内部不正による情報持ち出しを防ぐためには、監視と牽制の仕組みを導入することが効果的です。

退職者のデータ持ち出し対策

退職者による情報持ち出しは、特にリスクが高いとされています。退職時には、社内システムやクラウドサービスのアカウントを速やかに停止し、社用PCや携帯電話などの貸与物を確実に回収します。また、退職者が使用していたPCやデバイスのデータは、必要に応じて保全し、不審な操作履歴がないか確認できる体制を整えます。

ファイルアクセス履歴の調査

サーバーや共有フォルダへのファイルアクセス履歴を定期的に調査することで、不審なファイル操作(大量のダウンロード、通常業務ではアクセスしないファイルへのアクセスなど)を早期に発見できます。異常なアクセスパターンが検知された際には、詳細な調査を行う体制を整えることが重要です。

サイバー攻撃から情報を守る基本的な対策

外部からのサイバー攻撃を防ぐためには、基本的なセキュリティ対策を継続的に実施することが不可欠です。

OS・ソフトウェアの最新化とセキュリティソフトの導入

使用しているOSや各種ソフトウェアは常に最新の状態に保ち、セキュリティパッチを適用することが重要です。これにより、既知の脆弱性を悪用した攻撃を防ぎます。また、ウイルス対策ソフトやファイアウォールなどのセキュリティソフトを導入し、常に最新の定義ファイルに更新しておくことも必須です。

強固なパスワード設定と多要素認証

パスワードは、誕生日や簡単な単語を避け、複雑で推測されにくいものを設定するよう従業員に徹底します。大文字・小文字、数字、記号を組み合わせた10文字以上のパスワードを推奨し、定期的な変更を促します。さらに、パスワードだけでなく、スマートフォンアプリや生体認証などを組み合わせた多要素認証を導入することで、不正アクセスリスクを大幅に低減できます。

データの改ざんを防ぎ、消失したデータも守る

情報漏洩対策は、データの機密性を保つだけでなく、完全性を維持し、可用性を確保することも含まれます。

データのバックアップと復元体制の整備

重要なデータは、定期的にバックアップを取り、異なる場所に保管します。万が一、システム障害やサイバー攻撃によってデータが消失したり、改ざんされたりした場合でも、バックアップデータから迅速に復元できる体制を整備しておくことで、事業の継続性を確保できます。バックアップデータの復元テストを定期的に実施することも重要です。

万が一、情報漏洩が発生した際の「対応」と「調査」

発覚時の初動対応:被害を最小限に抑えるために

情報漏洩が発覚した場合、迅速かつ冷静な初動対応が被害の拡大を防ぎ、その後の影響を最小限に抑えるために極めて重要です。

被害状況の迅速な確認と拡大防止

まずは、何が、いつ、どこから、どれくらいの規模で漏洩したのかを迅速に確認します。同時に、被害の拡大を防ぐための緊急措置を講じます。例えば、不正アクセスの経路を遮断する、感染したPCをネットワークから隔離する、漏洩元となったシステムを停止する、関連するアカウントをロックするなどです。これらの措置は、さらなる情報流出やシステムの破壊を防ぐために不可欠です。

関係者への報告義務と手順

個人情報が漏洩した場合、個人情報保護法に基づき、個人情報保護委員会への報告義務が生じます。また、被害に遭った本人(顧客や従業員など)への通知も必要です。加えて、取引先や関係省庁、場合によっては警察への報告も検討します。これらの報告は、定められた期間内に適切な手順で行う必要があり、迅速な情報公開と誠実な対応が企業の信頼維持に繋がります。

情報漏洩の原因と範囲を特定する調査

初動対応と並行して、情報漏洩の原因と具体的な範囲を特定するための調査を開始します。

従業員による不正が疑われる場合の調査

内部不正が疑われる場合は、対象となる従業員のPC操作ログ、メール送受信履歴、ファイルアクセス履歴などを詳細に調査します。関係者へのヒアリングも行い、不正の動機や手法、関与した人物などを明らかにしていきます。

データ改ざんや削除の痕跡調査

不正アクセスやマルウェア感染によってデータが改ざんされたり、削除されたりした場合、通常の操作では見えないシステムのログやファイルの痕跡を専門的な手法で調査します。これにより、いつ、誰が、どのようにしてデータを改ざん・削除したのか、その全容を解明します。

フォレンジック調査が情報漏洩対応にもたらす価値

深刻な情報漏洩事案においては、専門的なフォレンジック調査が大きな価値をもたらします。

漏洩経路・原因の特定と証拠保全

フォレンジック調査は、情報漏洩の正確な経路や原因を特定するために不可欠です。デジタルデータに残された微細な痕跡を解析し、外部からの攻撃なのか、内部不正なのか、人的ミスなのかを科学的に証明します。また、これらの証拠を法的に有効な形で保全するため、後の法的措置や行政対応において重要な役割を果たします。

法的・行政対応への活用

収集されたフォレンジックデータは、個人情報保護委員会への報告、被害者への説明、損害賠償請求、警察への被害届提出、従業員の懲戒処分など、法的・行政的な対応を進める際の客観的な証拠として活用されます。これにより、企業の責任を適切に果たし、信頼回復に繋げることができます。

「EASY Forensics」で情報漏洩リスクを低減し、迅速な対応を実現

EASY Forensicsが解決できる情報漏洩の課題

中小企業が情報漏洩対策を講じる上で直面する、専門知識やコストの課題を「EASY Forensics」は解決します。

IT部門なしでも簡単に内部起因の漏洩対策

多くの企業、特に中小企業では、情報セキュリティ専門のIT部門を抱えることが困難です。EASY Forensicsは、専門知識がなくても直感的に操作できる設計となっており、内部不正や人的ミスによる情報持ち出しのリスクを可視化し、対策を講じることを容易にします。

低コストで情報漏洩リスクを可視化

高度なフォレンジック調査や専門の監視システムは、導入・運用コストが高額になりがちです。EASY Forensicsは、中小企業でも導入しやすい低コストで、PCの操作ログ監視やファイルアクセス履歴の調査といった情報漏洩リスクの可視化を可能にします。これにより、予算が限られた中小企業でも、継続的な情報漏洩対策を実現できます。

情報漏洩対策に役立つEASY Forensicsの機能

EASY Forensicsは、情報漏洩の予防から緊急時の対応まで、幅広いフェーズで役立つ機能を提供します。

個人情報ファイルの自動検出と管理

社内PCやサーバー内に散在する個人情報ファイル(顧客リスト、社員情報、契約書など)を自動で検出し、その保管場所やアクセス状況を把握できます。これにより、個人情報保護法遵守のリスク管理を支援し、意図しない情報漏洩を防ぎます。

不審なファイルアクセスや持ち出しの監視

従業員のPC操作ログやファイルアクセス履歴をリアルタイムで監視し、通常とは異なる不審なファイルの閲覧、コピー、外部への持ち出しといった行動を検知します。これにより、情報漏洩の兆候を早期に捉え、被害が発生する前に対応することが可能になります。

緊急時のPCデータ保全と簡易調査

万が一情報漏洩が疑われる事態が発生した場合、対象PCのデータを迅速かつ適切に保全する機能を提供します。これにより、証拠の散逸を防ぎ、初期段階での原因究明や被害範囲の特定を支援します。専門的なフォレンジック調査が必要となる前に、簡易的な調査を実施できます。

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まとめ:情報セキュリティは企業価値向上の基盤

予防と発生時の備えの重要性

情報漏洩は、企業にとって致命的なダメージをもたらす可能性があります。しかし、適切な「予防」策を講じ、万が一漏洩が発生した際の「備え」をしておくことで、そのリスクを大幅に低減できます。情報セキュリティ対策は、一度行えば終わりではなく、常に変化する脅威に対応するために、継続的に見直し、改善していくことが重要です。

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